初秋の小さなツーリング : 後編 「 魚沼スカイライン 」



( つづき )

時刻は昼1時をまわった頃。

空を見上げれば、綿をちぎったような白い雲が、思い思いに浮かんでいる。
それが余計に、空の広さを感じさせてくれる。

地図を広げて、雲に近づけそうな道を探す。
「 魚沼スカイライン 」 というルートが目に入ったので、そこを目指してバイクを走らせた。

南魚沼市にある、国道253号の八箇峠 ( はっかとうげ ) 〜 国道353号の十二峠を結ぶ、全長約20Kmの尾根伝いを走る、眺望抜群のルートなのだ。


魚沼スカイライン1  魚沼スカイライン3  魚沼スカイライン


途中、3箇所の展望台があり、越後三山や巻機連峰、上越国境の山なみをパノラマで望むことができる。
もちろん展望台だけが絶景ポイントではない。
走りながらでも視界に飛び込んでくる、雄大な景色に目を奪われすぎないよう注意が必要だ。

穏やかなカーブを淡々としたペースで昇って行き、展望が開けたトコロでバイクを停めた。


魚沼スカイラインからの眺め


はるか眼下に、魚沼に広がる田んぼの海が見えた。

さっきバイクを停めて写真を撮ったのは、あの辺だろうか。
水を汲んだのは、多分あの辺りだろう。 通ってきた道は・・・。 

そんなことをボンヤリと思い返しながら、空と山に抱かれた緑の平野を眺めた。
雲にはあまり近づけなかったようだ。

ここからでも、稲の海が秋の彩を湛え始めているのが判る。

浴びる日差しも、真夏のギラギラした照りつける感じは無く、どことなく優しさを帯びている。

道端で輝きはじめたススキが、季節の移ろいを告げているようだった。


ススキと青空と






魚沼スカイラインをゆっくりと下って、再び国道17号へ戻った。

私がバイクで出かけると、まるで麺にしか興味がないかのように、高い確率で麺類を食している。
小腹も空いたことだし、その辺を意識して洋食屋に入る。


喫茶店  BLTサンド&アイスキャラメルラテ

魚沼市にあるパーラー&レストラン 「 エルエル 」

少し前に見つけた雰囲気が良い店で気に入っている。

BLT ( ベーコン ・ レタス ・ トマト ) サンドとアイスキャラメルラテ 。
一応、こんな私でもオシャレな軽食を取ることもあるのだった。






今日は夕陽がキレイそうだったので、後はまっすぐ家に帰る予定を変更して海へとバイクを走らせた。

しかし、予想以上の早さで太陽は沈んでゆく。
一日が短くなったものだ。

夕刻6時過ぎ。
海辺に着いた頃には、陽はすっかり水平線に姿を消していた。

残された雲が、夏の名残を僅かに映し出していた。


夕暮れ


























な〜んちゃって  ・ ・ ・ な〜んちゃって♪


こうして初秋の1日は、淡々と暮れてゆくのだった。

本日の走行距離・・・約300km


( 完 )


※ 9月6日 〜 8日まで家を空けるため、頂いたコメントへの返事が遅れます。


初秋の小さなツーリング : 前編 「 八海山の麓で 」



8月31日。

天気予報は見事にハズれ、朝から清々しい空に恵まれた。
今日はかみサンは所用でいないのだが、てっきり雨だと思っていたので何の予定も立てていなかった。

8月最後 ・ ・ ・ 過ぎ行く夏の休日。

涼しくなってきた今日この頃。 
去る季節を追い掛けるつもりはないが、やってくる季節を部屋でじっと待つ気もない。
今の風を感じるためにバイクはあるのさ・・・などと、カッコつけた理由を自分の中で組み立て、なんだかんだと出かける私なのだった。

本日は気合いを入れずに、気の向くままノンビリと県内を走ることにした。

スッカリ太陽が顔を出した、朝8時半過ぎの出発。




国道17号を南下し、魚沼市 〜 南魚沼市に入る。

魚沼と言えば 「 魚沼産コシヒカリ 」 は、新潟米のブランドとして知れているところ。
米どころ新潟を代表する田園地帯なのだ。


稲の海


時折吹く風が、稲の海をサワサワと波立てる。

その上を、ポッカリ浮かんだ雲の影が泳いでいく。

盛りを過ぎた緑が黄金色に変わり、実りを知らせる日もそう遠くない。




この地域を代表する山が、越後三山の一つ八海山 ( はっかいさん ) である。
越後三山とは八海山 ( 1,778m ) 、中ノ岳 ( 2,085m ) 、越後駒ケ岳 ( 2,003m ) の総称。
八海山は越後三山の中でも古くから霊峰として名高く、山岳信仰の対象になってきた。

ちなみに八海山という名の単独の山があるわけではなく、 「 八ツ峰 」 と呼ばれる岩峰群の総称である。


八海山へ至る道  雄大な八海山


日本酒を嗜む方なら、新潟を代表する銘酒の一つ 「 八海山 」 はご存知だろう。
醸造元の八海醸造も、ここ南魚沼市にある。

その八海醸造が直営するそば屋があるので、立ち寄って食べていくことにする。
八海山を望める絶好のロケーションに位置する 「 岡寮 ( おかりょう ) 」 という店。


そば屋岡寮  そば屋 「 岡寮 」


開店11時から少し遅れて到着したが、既に何組かの客がいた。
が、限定の十割そばはまだあるようなので、それを頂いくことに。


十割そば  十割そば ¥700


そばは十割らしく少々ざらついた舌触りだが、しっかりとした食感がある。
香りもあり、そば本来の味だ。

ちなみにそばは、銘酒 「 八海山 」 を仕込むのと同じ水を使って打たれている。
そう聞いただけでも、美味さが増すというものだ。

つゆは鰹節が効いた江戸前風の濃いめと、少し甘口の田舎風の二種類が付いてくる。
風味のあるドロッとしたそば湯でも、二つの味が楽しめるのだ。

十割そばにしては700円とお手頃。
しかし私にはちょっと量が少なかった。 +200円で大盛りにできるので、次回は迷わず大盛りだ。

美味しかった。ごちそうさま。
正午を過ぎ、次々と客がやってくる店を後にした。




せっかく八海山の麓にいるので、その酒の仕込みに使われているという湧水を汲んでいくことにした。

そば屋 「 岡寮 」 から少し離れたところにある、藤原神社にその湧水 「 雷電様の水 」 の汲み場がある。


藤原神社  雷電様の水

樹々に囲まれて静かに佇む小さな社殿の脇に、冷たい水が勢いよく溢れている。

その昔、落雷の被害に困った住民が、とちの木の下に祠 ( ほこら ) を奉ったところ、落雷も干ばつも治まり、祠の傍らから水がわき出したという。

正確にはここは水汲み場で、ここから少し歩いた所にその祠と水源がある。

1日に400トンの湧水量で、この辺の藤原集落の生活用水としても使用されており、大雨でも濁らず、日照りで枯れることもないという。

手を水に暫くさらすと感覚が麻痺してしまうくらいに冷たく、飲めばわずかに甘味を残して、身体中に透き通った清涼感が染み渡る。

タオルを濡らして顔を拭き、持参した小さなペットボトル2本に汲ませてもらった。

さて、、、これからどうしようかなァ。

今日は気の向くまま。 何も考えていない。

( つづく )


「 ビフテキラーメン 」



昨夜、私の住処から少し離れた所のラーメン屋で夕飯を食べた。

通称 「 ビフテキラーメン 」 。

通称と言うのは私が勝手に付けたネーミングで、 「 味噌豚肉煮込麺 」 がメニュー上の正式な呼称。

私がまだ小学〜中学生の頃、親に連れられてたま〜に食べに行っていたこのラーメンは、至高の贅沢品だった。
大人になった今でも、その頃の気持ちを思い起こさせてくれる一品なのだ。


味噌豚肉煮込麺  通称 「 ビフテキラーメン 」 ¥850





私が幼かった頃読んだマンガ本の中に、ナイフとフォークを持って 「 ビフテキ! ビフテキ!! 」 と連呼している絵があった。
それはとても高級な食べ物として描かれていたため、私の中で 「 ビフテキ ( = ビーフステーキ ) 」 とは、とにかくハイソな食べ物として脳に擦り込まれた。
親に 「 ビフテキが食べたい 」 とお願いしたこともあったが、恐ろしいくらいに高価だからと聞き入れてもらえなかった。
( 高い理由もあっただろうが、父母とも牛肉があまり好きではなかったという理由が大きかったと、後になって思った。 )

ビフテキは普通の家庭では食べられないくらいに高価・・・恐らくそれは一口でも食べたなら、気絶してしまうくらいに美味い禁断の肉 。 。 。
幼かった私の妄想は膨らむばかり。

そんなある日、親に連れていってもらったラーメン屋に、デカい肉の塊が乗っているラーメンを発見した。
家で食べていた細々とした肉とは、明らかに格の違う大きさと厚さ。
メニューに 「 豚肉煮込 」 と記してあったとは思うが、豚だろうが何だろうが肉の塊 ( 当時の私は、肉の塊 = ビフテキだった ) が、しかも好きなラーメンに乗っているという目の前の事実は、幼かった私のハートをわしづかみにした。

注文して運ばれてきたラーメンの上に乗る肉塊に噛り付く・・・その時の味は、正直なトコロ覚えていない。
ただ、箸で掴んでも零れる程に柔らかく、一口食べても無くならない! と驚愕したことは鮮明に覚えている。

その後その肉が 「 ビフテキ 」 ではないと理解しても、私の中では 「 ビフテキラーメン 」 として、食べ物の中では孤高の存在だった。
高校生の頃、夜中に家を抜け出し、自転車でこのラーメンを食べに行っては、ちょっと大人になれた気分に浸れたものだ。




新潟人はラーメン好きな県民性だと思う。

新しいラーメン屋は次々に建ち、ローカル番組や地域情報誌などでラーメン特集が組まれることは多い。
それだけにラーメンのレベルも高く、客の入らない店は早いうちに淘汰されてしまう。

その中にあってこの 「 ビフテキラーメン 」 のある店は、決して客の入りが多いワケでもなく ( かと言って少ないワケでもなく ) 、味もごく普通。
TVや雑誌の特集に取り上げられることも皆無。
同じ道沿いに人気店があるにも関わらず、ずっと以前・・・少なくとも私が小学校低学年の頃・・・から存在し続けている。

( 強いて利点を言うならば、駐車場が広い。 席がたくさんある。 深夜晩くまで営業している。 )

これからも、それほど流行らなくていいから ( 大きなお世話でしょうけど ) 、私の贅沢の原点として在り続けてほしいものである。

私はいつか、本物のビーフステーキをラーメンに乗せて食べてみようと思っている。

しかし、それを達成した時、大きな贅沢感を得られると共に、何かを失ってしまうかもしれない・・・という、つまらん心配をしてしまう私なのだった。


2008年08月28日 | Comments(17) | Trackback(0) | ひとりごと

秋を前に



昨日の新潟は風が強く、気温も低く、夏がピークを過ぎたことを実感させる一日だった。

バイクのオイル交換をした後、夕方少しだけ海沿いを流しに行った。

夕陽は分厚い雲に阻まれて姿を見せず、ただ何となく暗い海と空が広がっていた。
佐渡島もぼんやりと灰色に紛れ、水平線には寂しく漁火が浮かんでいた。

時間は6時半を過ぎた頃。
少し前ならまだ空は明るく、若者達がはしゃいでいた陽気な砂浜は、花火の燃えカスと潮騒を残すのみ。

季節は確実に移り変わっている。

冷たい風が少し生暖かく変わった。 雨が近付いているようだ。
思い立ったらスグ走れるように、ガソリンを満タンにして帰宅した。

これから残暑もあるだろうが、バイクに乗るには暑過ぎず程よい季節になる。
しかし初夏と違い、バイクシーズンの終わりに向かって走ることになる。


間瀬海岸





今日も気温は上がらず、低く垂れ込む雲から雨が降る、ぐずついた空模様だった。

車でバイク用品店に行った。

並んでいるバイク用ジャケットは、まだ夏物。
その片隅に置いてあった、1シーズン売れ残っていたと思われる防寒用のインナーを購入した。

今年はあと何回走れるだろうか。

休日でも必ず乗れるワケではないし、暇でも気乗りしなければ走らない。
雪国新潟に住む私の今年のバイクシーズンは、もう折り返しを過ぎている。

少しでも寒い思いをせず、いつもよりほんの少しだけ長くバイクに乗っていられたら、という思いだった。


素晴らしき趣味の世界



ちょっと前の話しだが、お盆休みの中の8月15日。
仲間とドライブに出かけた。

今回の仲間は主に中学時代の同級生で、彼らはバイクは卒業している。
バイクを卒業した彼らは車に傾倒し、そして今ではトラックが好きなのだ。

それもアート・トラック。

そんな彼らとのドライブの行き先は、福島県の猪苗代町は土湯温泉付近にある箕輪スキー場。
ここでこの日、アート・トラックのイベントがあるのだった。


アートトラック2  アートトラック1


以前はデコトラ ( デコレーション・トラック ) と呼ばれていたが、今はアート・トラックと呼ばれている。
どんな趣味でも極めれば、アートの境地に達するということなのだろう ( この辺の解釈は、なかなか難しいところだが・・・ ) 。


チャリティー大会


このイベントはいつも、交通事故遺児 ( 交通事故で親を亡くした子供 ) のチャリティーとしても行われているのだが、今回は今年起こった東北方面の地震のチャリティーも兼ねているようだ。

このイベントの一番の見せ場は・・・やはりナイト・シーン。


アートトラック5  アートトラック6  アートトラック7
  

↑ ディ○ニーもビックリ! 怒濤のエレクトリカル・パレード


電飾もハロゲン電球からLEDに変わりつつあり、キラキラ度が増しているがコストも増しているとのこと。
また、BGMもお決まりの演歌に混じり、最近ではEXILEやサザンなどの爽やかな歌も流されている。

世代交代が進んでいるのか、昔のスタイルを保ちながらも新しいものを取り入れているようだ。

私は仲間と何度かこのイベントに来ているが、正直なところ、なかなか解らないと言うか何と言うか。。。

しかし、何かが凄いということは理解できる。

自分の趣味を深めるのには、自分と同じ趣味を持つ集まりに参加するのが一番だろうが、こうやって違う世界、異文化に触れることもまた、自分の趣味を見つめ直せる機会なのだろう。

と、もっともらしい理由を自分に言い聞かせて、毎回仲間に付き合うけな気な私なのだった。

とか言いながらそんな仲間に影響されて、私も数年前に車の大型免許を取った。

私がアート・トラックデビューする日も近いのかも・・・しれない。


2008年08月23日 | Comments(11) | Trackback(0) | 車・ドライブ
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