バイクに乗り、想い歌う : 2

私に限ったことではないが、バイク (あるいは車) で走っていると口ずさむ歌というものがある。

その時の気分にもよるが、私がバイクでふらりと走っているときに歌うお気に入りの一つが、井上陽水の 『いつのまにか少女は』 である。




『いつのまにか少女は』 作詞/作曲 井上陽水




いつのまにか青い空が のぞいてる 思いつめた黒い雲は 逃げてゆく

君はどこで生まれたの 育ってきたの

君は静かに 音もたてずに 大人になった 

白い膚が光に触れ まぶしそう 髪の色は青い空に 浮きたって

燃える夏の太陽は そこまできてる

君は季節が 変わるみたいに 大人になった

いつのまにか "愛" を使う 事を知り 知らず知らず "恋" と遊ぶ 人になる

だけど春の短さを 誰も知らない

君の笑顔は 悲しいくらい 大人になった




「旅」 という言葉は、どこか郷愁を覚える。

旅という言葉をバイク乗りの言葉に置き換えるなら、それは 「ツーリング」 ということになるだろう。
それも1人の、あるいは2人か・・・。

ではツーリングとは何かということになると、答えは人それぞれだが、私は現実や日常から完全に離れた所に自分を置くことこそが、 「ツーリング」 であり 「旅」 だと思っている。

どんなに長距離を走っても、テントに寝袋で過ごしたとしても、日常のしがらみを引きずっているようじゃ、本当の意味でのツーリングとは言えないのではないか。
(とは言っても、いつも時間という現実に追われてしまうのだが。)

ところが、どんなに現実から切り離した所に自分を置いても、ふとした時に、過去の想いに囚われることがある。

それは行き先で見た風景が、昔見た景色に似ている時。
感じた空気にどこか、懐かしさを感じた時。

見るもの全てが新しく新鮮であれば、旅にノスタルジアは無いだろうし、これこそが旅という言葉に感じる郷愁なのだと私は思うのだ。

それが人との出会いの中で・・・例えば見知らぬ街で見かけた人に、あるいはコンビニの店員の声に、過去の自分を呼び起こされたりするとき、それはより一層色濃くなって目の前を塞ぐ。

私の場合、それがまだ学生時代の多感だった頃に意中だった人・・・その時々それぞれにいるので、1人に限定はしない・・・だったりすると、 「あの娘は今、どうしているだろう。」 「幸せな人生を歩んでいるだろうか。」 などと思ってしまう。

その時思い描くあの娘は、いつも少女のままだ。 (年齢的に幼いという意味とは、少し違う。)




大人になるということは、どういうことなのだろう。

物事に駆け引きを覚えることなのか。
あるいは世間に対し、どこか醒めた感覚を持つことなのか。

純粋さを失うことが大人の条件だとしたら、それはあまりにやるせない。

だけど大人になり社会で生きていくには、それらを否定することもできない。

それならせめて、あの娘が記憶の中のままの少女ではないとしても、今、どんな大人になっているのだろうか、と。

私は以前、そんな想いに囚われる自分が嫌だったが、今はそうでもない。

現実から切り離された時間の中で、あらゆる見た物、感じた物、想った事を全て素直に受け入れこそ 「ツーリング」 なのだ。 と、私は思っている。




ちなみに私は近年、井上陽水のライブを2度観ている。

いつまでも衰えぬ歌唱力と、他の誰の真似でもない詩の世界には、脱帽するばかりだ。

この 「いつのまにか少女は」 は、あの名曲 「夢の中へ」 のシングルのカップリングだった。

発表は1973年の3月。 私が生まれたのと同じ時期だ。

バイクに乗り、想い歌う : 1

コメント
くらげさんってロマンチストなんですね♪
「いつのまにか少女は」…何回も聴いてたら好きになってきました♪ ww

命短し 恋せよ 乙女 …「ゴンドラの唄」って題らしいですけど、歌う角度は全然異なるけれど、どちらも好い歌に思えます。
奥様にもキッとお声を聞かせてお上げになるのでしょうね♪
小天 URL 2008年05月13日 22:49:04 編集
お久しぶりです。
この歌好きでした。
氷の世界?だったかな?
アルバム買ったけど、今はどこへ
いったのやら〜。

また、どこかで・・・寄らせていただきます!
ポッキー URL 2008年05月13日 23:01:22 編集
この人生こそが『旅』でしょうか?
人には、どこへ行こうと常に付いて回る命があります。
誰の子どもだ、とかそういう自分の力ではどうにもならない命・・・それを宿命と言う。
もう一つ、自分の力や努力や、そういうもので運んで行ける命・・・それを運命と言う。
宿命を背負って、運命を旅して行くことが生きているということでしょうか?
バイクのツーリングはムリでも、時間を作って、ガイドブックに載っていないような一人旅をしてみたくなりました(以前、一度あります)。
さざなみ URL 2008年05月13日 23:03:12 編集
『いつの間にか少女は』を聴きながら、くらげ様の、旅やツーリングに対する独特な世界観について、咀嚼しながら、読んでいました。『現実から切り離された時間の中で、あらゆる見た物、感じた物、想った事を全て素直に受け入れてこそ』旅に臨む姿勢でもあり、反対に、旅にいくことで、素直に受け入れられるようになるのだろうとも思いました。
ぺんち URL 2008年05月13日 23:20:29 編集
自分は井上陽水でいたら
(傘がない)が好きです。
ツーリングやドライブは出来ませんが
入浴時に歌ったりしますよ。
大人になると言う事は
時間が減る事と責任が増える事
かと思います。
池添 URL 2008年05月13日 23:54:10 編集
こんばんは!

くらげさんは井上陽水さんを歌ってしまいますか!
渋いですねww
おいらはバイクに乗ると尾崎豊の「15の夜」と
RCサクセションの「雨上がりの夜空」を歌ってしまいますねww
車ではまた違うんですけどね!
なり×なり URL 2008年05月14日 00:27:42 編集
大人になるって悪い気がしない。
もっと年を重ねて枯れるのもいいかな。
ただね、若いって綺麗ですよね。
兎に角美しい。自然界の特徴ですね。
大人は、全体の事象を捉えて判断出来る能力を得るけど、
反面失いがちな、持ち続けるのが難しいものがありますよね。
だから、拘りだけは残しておきたいですね。
例えばくらげさんなら、旅、バイクに対する熱だったり、
わたしだったら、んん、何かな・・・Soulかな。
ツーリングに行ったり、バックパッカーが旅に行ったり、
男子は風に任せて出かけ易いね。
Fuwari Funwari  URL 2008年05月14日 01:27:33 編集
こんばんは〜。
陽水さんや拓朗さんの世代なのに「いつの間にか少女は」って曲初めて聴きます。カップリング曲の「夢の中へ」は知ってますが^^;
「夢の中へ」のような派手な曲じゃないけど、じっくり聴いてたら本当にいい曲です。
ぺこ URL 2008年05月14日 03:23:20 編集
 くらげさん、ツーリングは現実の安全地、ベースキャンプがあったればこそ可能で、今で言うプチ・・で現実のしがらみから少し距離を置いて自分や自分を取り巻く人関係をアセスメントし、さらなる展開を図る機会になるものだと思います。このように人間は時間を考えているようですが、現代物理的「時間」は過去から未来へ流れるものではなく、ただのスライドでしかないと言う説があり、宇宙的事実の前の人間の浅はかさ、愚かさに気づかされても懲りずにバイクを駆る自分であります。
びわ湖を望むライダー URL 2008年05月14日 09:50:39 編集
おはようございます!!

いつもながら、ずいずい引き込まれてしまいますね ^^)くらげさんの文章は・・・ まったくその通りですね!! 私は現実に戻れなくなりつつありますが ^^)
現実があって逃避できるのだから・・・目の前の仕事を処理しましよう!!
楽しい週末が待っている!!
イノぶた URL 2008年05月14日 10:23:47 編集
陽水は独特な世界があり私も好きなアーテストの一人です「傘がない」とか
好きな曲ですね。
ツーリングの季節となり皆さん風と戯れておられるようです束縛から開放され自由な旅を送ってみたいですね客観的に自分の世界を見つめてみるのもいいものですね。
田舎のオヤジ URL 2008年05月14日 14:16:07 編集
コメントありがとうございました。
ここ2日間忙しくて、ログインできませんでした。すいません。
こんな曲を口ずさみながらのんびり走るのもいいもんですよね。
また、寄らせていただきます。
まるぼっさ URL 2008年05月14日 19:03:32 編集
井上揚水さんって、歌だけ聞くと、スゴイ素敵ですよね〜。
昔、ラジオで彼の曲を初めて聞き、ファンになったのですが、その後、テレビで拝見して、イメージが壊れました(ウフ・・)もっと、繊細な感じの柔な人かと思ってたのですが、ガッシリして、スポーツマンタイプでしたもの。
ガケっぷち主婦 URL 2008年05月15日 11:51:16 編集
No title
くらげさん、、、、
『バイクに乗り、想い歌う : 2』また読み返しました。。
upされたばかりの記事があるのに・・・。
感情移入し過ぎだってよく言われますが、
改めてくらげさんの言葉を目で追う内に、なんだろう、、
居ても立ってもいられない切ない想いに駆られました。
ご本人のくらげさんは至って淡々となさっているのでしょうが(^^)
わたしの意中の人って誰だったんだろう。。。
偶像・・・・かもしれない。
Fuwari Funwari URL 2008年08月07日 15:06:39 編集

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